WindowsパソコンでiPhoneをバックアップするとき、現在は「Appleデバイス」アプリを使う方法がAppleから案内されています。
ところが、iPhoneのデータ量が多い場合は注意が必要です。PC内に十分な空き容量があっても、Cドライブの空き容量が不足してバックアップできなくなることがあります。
チエバコPC全体には空き容量があるのに、Cドライブだけいっぱいになってしまうことがあるんですね。
実際に今回、家族のiPhoneをPCへバックアップしようとしたところ、バックアップデータが250GBを超え、Cドライブの容量を大きく圧迫しました。
筆者は普段から、Windowsに問題が起きたとき復旧しやすいよう、Cドライブにはできるだけデータを置かず、データ用ドライブを分けて使用しています。しかし、現在のAppleデバイスには、バックアップ先としてDドライブやEドライブなど任意の保存先を指定する設定項目は用意されていません。
この記事で分かること
- AppleデバイスでPCバックアップするときの注意点
- Appleデバイスのバックアップが保存される場所
- バックアップフォルダが見つからないときの確認方法
- Appleデバイス側で保存先ドライブを変更できるのか
- Windowsの「ジャンクション」を使って別ドライブへ保存する方法
- D・Eドライブや外付けSSD・HDDを利用するときの注意点
今回は、実際にEドライブへバックアップデータを保存するよう変更し、その後、自分のiPhoneを使って正常にバックアップできるところまで確認した方法を紹介します。
AppleデバイスでiPhoneをPCバックアップするときはCドライブの空き容量に注意
Appleは、WindowsパソコンでiPhoneやiPadをバックアップする方法として「Appleデバイス」アプリを案内しています。
Appleデバイスを起動し、iPhoneを接続して「一般」を開くと、iCloudへバックアップする方法と、Windowsパソコンへバックアップする方法を選択できます。
PCへ保存する場合は「iPhone内のすべてのデータをこのコンピュータにバックアップ」を選択し、「今すぐバックアップ」を実行します。
Apple公式でも、コンピュータに保存するバックアップの容量はMacまたはWindowsパソコンの空き容量によって決まると案内しています。
ここで注意したいのが、「PC全体には十分な空き容量がある」というだけでは安心できないことです。
たとえば、Windowsを入れているCドライブとは別に大容量のDドライブやEドライブを搭載していても、AppleデバイスのバックアップがCドライブ側へ保存されれば、Cドライブだけが先にいっぱいになる可能性があります。



今回もデータ用ドライブには十分な空きがありましたが、iPhoneのバックアップはCドライブ側へ保存されていました。
バックアップを始める前に確認したいこと
- Cドライブに十分な空き容量があるか
- iPhoneでどの程度ストレージを使用しているか
- すでに古いPCバックアップが残っていないか
- 別ドライブや外付けストレージを利用した方がよくないか
なお、iPhoneが256GBモデルだからといって、必ず256GBのバックアップが作成されるわけではありません。
コンピュータのバックアップにはiPhone内の多くのデータや設定が含まれますが、すでにiCloudに同期されているデータなど、一部は対象外です。必要な容量はiPhoneの使用状況によって変わります。
Appleデバイスではバックアップの保存先ドライブを指定できない
今回、最も困ったのがこの点でした。
Appleデバイスでは、「iCloudへ保存する」か「このコンピュータへ保存する」かは選べます。
しかし、「Dドライブへ保存」「Eドライブへ保存」といった任意のドライブやフォルダをバックアップ先として指定する設定項目はありません。



保存先を変更する設定がありそうですが、Appleデバイスの画面から好きなドライブを選ぶことはできません。
Apple公式の現在のバックアップ手順でも、Windowsパソコンへバックアップする方法は案内されていますが、任意のフォルダへバックアップ先を変更する設定は案内されていません。
そのため、今回のようにCドライブをWindowsやアプリ中心で使い、データを別ドライブへ保存しているPCでは扱いにくい場合があります。
そこで利用したのが、Windowsに標準搭載されている「ジャンクション」という機能です。
AppleデバイスのiPhoneバックアップはどこに保存される?
今回使用したPCでは、Appleデバイスで作成したバックアップは次の場所に保存されていました。
C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
「ユーザー名」の部分はWindowsへサインインしているユーザーによって異なります。
Apple公式では、Microsoft Storeから入手したAppleデバイスアプリまたはiTunesを使っている場合、Windowsキーと「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次の文字を入力してバックアップを探す方法を案内しています。
%USERPROFILE%
開いたユーザーフォルダから、筆者の環境では次の順番で進むとバックアップフォルダを確認できました。
- Apple
- MobileSync
- Backup
バックアップフォルダが見つからない場合はiTunesの種類も確認
WindowsのiPhoneバックアップについて調べると、「AppData」フォルダを探す方法も見つかります。
これは間違いとは限りません。Apple公式では、使用しているアプリやインストール方法によって確認方法を分けています。
| 利用環境 | Apple公式が案内している確認方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| Microsoft Store版Appleデバイス | %USERPROFILE% | 今回はこちらを使用 |
| Microsoft Store版iTunes | %USERPROFILE% | 環境により保存場所を確認する |
| Appleデバイスを使っていない従来のiTunes | %AppData% | AppDataは通常、隠しフォルダになっている |
そのため、インターネット上の記事に書かれている保存場所と自分のPCの保存場所が違っていても、すぐに異常と判断する必要はありません。
AppDataが見えない場合は隠しファイルを表示する
従来のiTunes環境などでAppDataを確認する場合、「C:\Users\ユーザー名」を開いてもAppDataが見つからないことがあります。
AppDataは通常、Windowsで非表示になっているフォルダだからです。
Windows 11では、エクスプローラーを開いて次の順番で操作すると隠しファイルやフォルダを表示できます。
- エクスプローラーを開く
- 上部メニューの「表示」を選択する
- 「表示」を選択する
- 「隠しファイル」にチェックを入れる
Appleデバイスを使っている場合は、最初からAppDataを探すのではなく、まずApple公式が案内している%USERPROFILE%から確認する方が分かりやすいでしょう。
ジャンクションを使うと別ドライブへiPhoneバックアップを保存できる
今回利用した「ジャンクション」は、Windowsに用意されているフォルダのリンク機能です。
通常のデスクトップショートカットとは異なり、あるフォルダへのアクセスを別の場所にあるフォルダへつなぐことができます。
Microsoftが公開している「mklink」コマンドでは、/Jオプションを指定すると「ディレクトリジャンクション」を作成できます。
今回の構成では、Appleデバイスからは従来どおり次の場所にBackupフォルダがあるように見えます。
C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
しかし、実際のバックアップデータは次のEドライブへ保存されます。
E:\iPhoneBackup\Backup



Appleデバイスから見える場所はそのままにして、実際のデータだけEドライブへ保存させる仕組みです。
Appleデバイス側の保存先設定を変更するのではなく、Windows側でCドライブのBackupフォルダとEドライブのBackupフォルダをつなぐのがポイントです。
Appleデバイスのバックアップを別ドライブへ移す手順
ここからは、今回実際に行った方法をもとに、Eドライブへ保存する例で進めます。
作業を始める前にAppleデバイスを終了します。
バックアップ処理中やAppleデバイスがBackupフォルダへアクセスしている状態では作業しないでください。
今回はEドライブに「iPhoneBackup」フォルダを作成し、その中に「Backup」フォルダを作りました。
E:\iPhoneBackup\Backup
Dドライブを利用する場合は、先頭をDに読み替えて構いません。
次に、Cドライブ側にあるBackupフォルダを確認します。
C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
ここで最も重要なのは、既存のバックアップデータを誤って削除しないことです。
今回の作業時はBackupフォルダ内に必要なデータが残っていないことを確認してから、Cドライブ側のBackupフォルダを削除しました。
すでにバックアップデータが保存されている場合は、先にEドライブなど新しい保存先へコピーまたは移動し、データが正常に移ったことを必ず確認してください。
重要:Backupフォルダを削除する前に確認
- Appleデバイスを終了している
- 現在のバックアップが必要か確認した
- 必要なデータは別ドライブへコピーまたは移動した
- コピー先にデータが存在することを確認した
バックアップデータを確認せずに削除すると、必要なバックアップを失う可能性があります。
Windowsの検索欄に「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力します。
表示された「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
ユーザーアカウント制御が表示された場合は、内容を確認して「はい」を選択します。
次のコマンドを入力します。
mklink /J "C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup" "E:\iPhoneBackup\Backup"
このままコピーするのではなく、「ユーザー名」の部分は自分のWindows環境に合わせて変更してください。
コマンドの意味は次の通りです。
| 部分 | 意味 |
|---|---|
mklink | Windowsでリンクを作成するコマンド |
/J | ディレクトリジャンクションを作成する指定 |
C:\Users\~\Backup | Appleデバイスがアクセスする元の場所 |
E:\iPhoneBackup\Backup | 実際にバックアップを保存する場所 |
Microsoftの公式資料でも、mklink /Jはディレクトリジャンクションを作成するコマンドとして案内されています。



コマンドは難しく見えますが、元のBackupフォルダと新しい保存先を正しく指定するのがポイントです。
コマンドが正常に実行されると、元の場所にBackupフォルダが表示されます。
C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
見た目はショートカットのように感じるかもしれませんが、通常のWindowsショートカットではなくジャンクションです。
このBackupフォルダを通して、実際にはEドライブ側のBackupフォルダへアクセスします。
設定が終わったらAppleデバイスを起動し、iPhoneを接続してバックアップを実行します。
バックアップ中に、次のEドライブ側のフォルダへデータが作成されているか確認します。
E:\iPhoneBackup\Backup
今回の環境では、自分のiPhoneを使ってバックアップを実行し、CドライブではなくEドライブ側へデータが保存されていることを確認できました。



設定しただけで終わらせず、実際にバックアップして新しい保存先へデータが書き込まれるところまで確認しました。
外付けSSDやHDDをバックアップ先にする場合の注意点
デスクトップPCなどで内蔵のDドライブやEドライブがある場合は、常時接続されている内蔵ドライブを使う方法が分かりやすいでしょう。
一方、CドライブしかないノートPCなどでは、外付けSSDや外付けHDDを保存先として検討する方法もあります。
ただし、外付けドライブをジャンクションの保存先にする場合は注意が必要です。
- バックアップするときは外付けドライブを接続しておく
- バックアップ途中でドライブを取り外さない
- 毎回同じドライブ文字で認識されることを確認する
- 十分な空き容量を確保する
- 外付けドライブ自体の故障にも備える
特にドライブ文字が「E:」から「F:」などへ変わると、作成したジャンクションが指定した保存先を見つけられなくなります。
頻繁にPCバックアップを行うなら転送速度に優れる外付けSSD、大容量を比較的低コストで確保したい場合は外付けHDDなど、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
バックアップ中に接続が不安定ならiPhoneの端子も確認
今回の作業では、もう一つ気づいたことがありました。
iPhoneとPCを接続した際に接続や充電が不安定になりましたが、使用していたケーブルはほかの端末では問題なく動作していました。
そこでiPhoneのコネクタ部分を確認したところ、内部に綿埃のような大きな塊が入り込んでいることを確認しました。異物を取り除いたあとは接続状態が改善しています。
このことから、今回の接触不良には端子内部の異物が影響していた可能性があります。



ほかのiPhoneでは使えるケーブルだったので、ケーブルではなく本体側も確認した方がよさそうですね。
バックアップ開始前にUSB接続も確認
- ケーブルがしっかり差し込まれているか
- 接続すると充電状態が安定しているか
- ケーブルに傷みがないか
- iPhone側の端子に異物が入り込んでいないか
端子内部を無理に金属製の道具などで清掃すると、端子を傷めるおそれがあります。異物を除去するときは端子を傷つけないよう十分注意してください。
この部分は今回の記事の主題ではありませんが、数百GB規模のバックアップでは長時間接続することがあります。途中で接続が不安定になるリスクを減らすためにも、バックアップを始める前に確認しておきたいポイントです。
今回のバックアップでは、iPhoneとのUSB接続が不安定になり、その後の復旧作業で「不明なエラー1109」も表示されました。USBケーブルやポートの切り分け、iPhone側の端子確認、iTunesとiCloudを使って復旧するまでの経緯は、次の記事でまとめています。


iCloudとPCバックアップを併用する方法もある
iPhoneのバックアップ方法は、iCloudかPCのどちらか一方だけに限定する必要はありません。
Appleも、予備のバックアップを確保したい場合はiCloudでバックアップを作成し、コンピュータでも別途バックアップを作成できると案内しています。
iCloudはWi-Fi環境で自動バックアップできる点が便利ですが、利用できる容量は契約しているiCloudストレージによって決まります。
一方、PCバックアップはパソコンのストレージ容量を利用できます。そのため、大容量の内蔵ドライブや外付けストレージを用意できる環境では、iCloudとは別のバックアップとして残しておく選択肢があります。
AppleデバイスでPCバックアップするなら保存先を先に確認しよう
Appleデバイスを使えば、WindowsパソコンへiPhoneのバックアップを保存できます。
ただし、iPhoneの保存容量が大きくなった現在では、バックアップを始めてからCドライブの容量不足に気づくことも考えられます。
特に、Windows用のCドライブを小さめにして、写真や動画などのデータをDドライブやEドライブへ分けているPCでは注意が必要です。
今回のポイント
- AppleデバイスでPCバックアップする前にCドライブの空き容量を確認する
- 現在のAppleデバイスには任意の保存先ドライブを指定する設定項目が用意されていない
- Appleデバイスのバックアップは今回の環境では「Apple\MobileSync\Backup」に保存された
- 環境によってはAppDataなど保存場所が異なるため、使用しているアプリを確認する
mklink /Jでジャンクションを作成すれば別ドライブへ実データを保存できる- 外付けSSD・HDDを使う場合は接続状態とドライブ文字にも注意する
今回の環境では、Cドライブ側のBackupフォルダとEドライブの保存先をジャンクションで接続することで、Appleデバイスから通常どおりバックアップを実行しながら、実際のデータをEドライブへ保存できました。
iPhoneのデータ量が多い人や、Cドライブの容量が小さいPCを使っている人は、バックアップを開始する前に保存場所と空き容量を確認しておくと安心です。


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